こはぐら通信~古波蔵太朗の日々~

沖縄に12年、地元に戻ってきました。日々の記録を綴っています。

話して、踊って、食べる、卒業パーティー


朝から寺子屋の生徒達が集まり

輪飾りの準備、

踊りの練習、

講演会の準備

いつもは、ほったらかしの靴も綺麗に揃っている。
みんな気合が入っているのだ。

次第に、大学生や僕らの友人も集まり
寺子屋卒業生の講演会が始まる。

卒業生は
幼少期の厳しい経験から卒業後の進路について
生き生きとした手話で話してくれた。

そして後輩へのメッセージとして
「ろう者は聴こえないのが当たり前、恥ずかしいことではない」

「会話が分かっていないのに、分かったふりはやめてほしい」

「自分にあったコミュニケーション方法を見つけてほしい、筆談もやってほしい」

そして、
「ろう学校の先生が手話が出来ないのはおかしい」とも。

来てくれた難聴学級の先生は
「手話の勉強をしなくちゃいけないですね」と言っていた。
僕もそうだ。もっと生きた手話を使えるようになりたい。

その後、
AKB、KARAのダンスを披露、みんなはじけていた。

一品持ち寄りの昼食では
「朝早く起きて作りました」とみんな言っていた。
自分で作った料理を食べてもらうって嬉しいよなあ、と
改めて思う。

思えば、寺子屋でパーティーをやるとき、
当初は、ケンタッキーやピザなど買ってきたものばかりであった。
しかし、今では自分で作ったものが多くなっている。

卒業パーティーもそう
お昼ご飯もそう

自分たちでつくるのがプレゼントなのだろう。
そして、
卒業生が後輩に経験を伝えることも、大切なプレゼントなのだ。
お互い、誇らしそうな様子だった。


後日、片づけられた輪飾りが部屋の隅にあった。
「これ捨てるの?」と妻さんに聞くと

「もうちょっと待って」と。

なるべく物を持たない主義、捨てる主義の妻さんの
意外な言葉。

生徒の気持ちは妻さんも変えつつあるようだ。