こはぐら通信~古波蔵太朗の日々~

沖縄に12年、地元に戻ってきました。日々の記録を綴っています。

縦のつながり

お寺にて
お茶を飲みながら、人生の先輩のお話を伺う。

その方は、復員後に東京で仕事をしており、
沖縄に戻るか東京に残るか、考えあぐねていたという。

そんな時に、新宿駅で易者の周りに人だかりができていた。

「挨拶代わりに、皆さんについて私が分かることをを話す。
 思い当たる節があるかもしれんが、怒らないでくれ」と易者。

皆ドキドキしながら耳を傾けた。
その方は、背が低いので顔だけ出して聴いていた。

「この中に右に行くか左に行くか、大層悩んでいる人がいる。
 顔を見るに、荘子が刀を持っている相があり、
 『期するところありて大海を渡る』と出ている。
 それはあなただ」と言われたという。

ばっちり言い当てられ気持ちは固まり、沖縄に戻ったという。

沖縄に戻り、人生が軌道に乗り始め、
数年後、お礼を伝えるためまた新宿へ行ったが、
易者はおらず、弟子がいたという。詳細を語らず診てもらうと

「あんたは、何もしなくても政治家として成功する。
 ただし、どんなに注意しても窃盗に遭う」と。

それから何十年、その方は沖縄の政治家として活躍した。

不思議だが、人生の節目はそういうことがあるのだろう。
人生経験豊かな方のお話は面白い。
お寺は縦のつながりを作るところなのだ。