こはぐら通信~古波蔵太朗の日々~

沖縄に12年、地元に戻ってきました。日々の記録を綴っています。

なり切ること

沖縄の大学にいた頃、
年齢が近かったこともあり、親しかった先生から連絡がある。

今年1年は、サバティカル(研究休暇)を取って、
東南アジアに赴いているとのことだった。
民俗学関係を専門としていることもあるのだが、
受け入れ先は寺院であり、僧侶に付き生活しているという。

お会いすると、剃髪し東南アジアの僧侶の衣帯を身に着け、
すっかり僧としての雰囲気だった。

一緒に境内を歩き、本堂でお参りして、お話をすることができた。
何事も「なり切ること」がその道に入ることなのかなと思った。
この方の生き方も感じるものだった。


また、沖縄の大学が60周年を迎えたため、
記念誌を出版することになったという。
大学論の講義録なのだが、その末席に僕のお話も載せてくださるという。

僕は、沖縄での経験をお二人の先生との出会いを中心に話したのだが、
記念誌には、そのうちのお一人の先生(故人)からいただいた
お手紙を直筆で掲載して下さった。

10年以上前に、このお手紙をいただいた時、
「この手紙は大学の記念誌に載せるべきだ」と提案する方がいたのだが、
50周年記念誌の時にはそうはならなかった。

ぼくの手元にあったものが、10年を経て大学の記録として残ることになった。
気持ちのこもったお手紙は、普遍的な価値を生むのだ。

記念誌を拝見し、沖縄での経験が僕を一回り、大きくしてくれたんだな、と感じるものだった。
沖縄の大学との関わりは薄くなるが、70年の時には、僕の知らない新たなドラマがあるのだろう。
遠くから応援しよう。